前回は、かかりつけ医がいないと死体検案書になってしまうか現状をお伝えしました。
今回は、在宅で人が亡くなる前に知っておきたいポイントを私の実体験を交えってお伝えしたいと思います。
その前に、前回お示しした法律をもう一度ご覧下さい。
医師法第二十条の要約。
「医師は、自ら診察しないで(死亡)診断書を交付してはならない。但し、診療中の患者が受診後二十四時間以内に死亡した場合に交付する死亡診断書については、この限りでない。」
【余裕のある方のために二十条の全文はこちらです。】
「医師は、自ら診察しないで治療をし、若しくは診断書若しくは処方せんを交付し、自ら出産に立ち会わないで出生証明書若しくは死産証書を交付し、又は自ら検案をしないで検案書を交付してはならない。但し、診療中の患者が受診後二十四時間以内に死亡した場合に交付する死亡診断書については、この限りでない。」
これを、読んだとき、「かかりつけ医をもっていても、受診後24時間を経過していたら、死亡診断書は交付できないのでは?」と疑問を持たれた方がいらっしゃると思います。
その疑問の答えが、今回お伝えしたいポイントです。
結論からお伝えします。
かかりつけ医をもっていれば、受診後24時間を経過していても、死亡診断書の交付を受けることができます。
その根拠が、厚生労働省より平成24年8月31日に通知されています。
内容は、こんな感じです。
医師法第20条ただし書の適切な運用について
医師が死亡の際に立ち会っておらず、生前の診察後24時間を経過した場合であっても、死亡後改めて診察を行い、生前に診療していた傷病に関連する死亡であると判定できる場合には、死亡診断書を交付することができること。
20条のただし書きをどのように解釈したら「24時間以内」と書かれた内容が24時間を超えてもOKになるのか私には理解できませんが、親分(厚労省)がそう言えば、そうなんです!w
では、私の祖母の話です。老衰のため自宅で亡くなりました。下顎呼吸(人が亡くなる前に始まることのある呼吸)が始まったのが夕方でした。その頃、これまで書いてきたような知識が無かったので、一度かかりつけ医に連絡しました。帰ってきた返答は「そのまま見守り下さい。もし夜間亡くなっても、その時に連絡は不要です。翌朝開業時間にご連絡をお願いします。あと、亡くなった場合は、時間を控えておいてください。」でした。
残される家族がある程度、落ち着いた状態で、祖母の最後を看取ることができました。かかりつけ医をもっていた事と、分からない事を直ぐに確認できたことが良かったと思います。
みなさん、かかりつけ医を持ちましょう。世の中のブログは、比較的若い方が見る可能性が高いです。これを見て下さった方の親やおじいちゃんおばあちゃんにかかりつけ医を持っているか確認をお願いします。もし、持っていなければ、持つ必要性を伝えて下さい。
まとめです。
かかりつけ医を持っている場合、最後の診察後24時間経っていても亡くなった後に診察を受ければ死亡診断書を受け取ることができる。