前回は、看護師と自衛隊で、どちらが精神力的に辛いかをお伝えしました。
今回も前回と同じく精神的辛さをお伝えできればと思います。
前回、精神的辛さを比べる前提として「戦争や災害が無ければ」としました。戦争や災害が無ければ、自衛隊員が人の死に接する機会は、普通の人と同じくらいでしょう。ですが、災害等になると、自衛隊員は人の死が急に身近なものになります。亡くなった方に直接触れることもあるでしょう。
人の死に慣れていない人間が、亡くなった方をまじかで見た時の衝撃は、想像もつきません。特に災害の後の遺体は、身体の一部が無かったり、臓器が出ていることもあるでしょう。亡くなってから日も経っているのでにおいも重要だと思います。
看護師は、このにおいに慣れてしまっています。ひどい褥瘡や、糖尿病等で手足が壊死していく時には、腐ったにおいがします。手術で電気メスを使うとこげたにおいがでます。日常的に体験するにおいなんです。
今回お伝えしたい精神的辛さは、人の死に慣れていない自衛隊員が被災地等で人の死に接したときの辛さが大きいという事です。その大きさは、東日本大震災の後、自衛隊員の心理的ケアの記事が多くなったのが証明していると思います。
前回と今回、私が言いたかったことは、決して自衛隊員が精神的に弱いという事ではありません。人は慣れていない状況では、精神的にかかるプレッシャーが強くなる。そのプレッシャーは看護師と自衛隊を比べた時に、人の死にどちらが日々近いかの違いで決まってしまうという事を、私の経験からお伝えさせてもらいました。