前回は、時間的に余裕の全くない状況で、気管から吸引をしないといけない状況設定でした。今回はもう少し余裕のある場合で、どんな事ができるか考えてみたいと思います。
・そもそも、気管吸引が必要か。→「吸引を行う」と判断したアセスメントが正しいか。
・吸引を行う自分の体位はどうでしょうか。→手技が長時間になるかもしれません。手技者の体位にストレスがあると、スムーズな手技ができない可能性が。手元が不安定にも。
・スクイージング。→吸引で無理やり引くのではなく、患者自身の力を補助することで排痰できる可能性がないか。
・患者さんと自分の相性は。→理由はよくわかりませんが、人が違うとスッと入ることがあります。
・自分の力量は。他の人に援助を求めた方がいいのでは。→何回かトライして無理そうなら他の人に依頼するのも一つの手です。
自分の力量の話が出たので、その力量の一つを考えてみます。
カテーテルが気管に入るとすぐに咳嗽反射があるのが普通です。ですが、出ない人もいるし、入れてから少し遅れて咳嗽がある患者さんもいます。そこで大事になるのが、カテーテルが気管に入った時の手の感触です。回数を重ねると、この感触は、入った。この感触は、口腔内でとぐろを巻いている、咽頭部でひっかかった、と分かるようになると思います。
どうでしょうか、患者さんによって変わってくる部分もありますが、似ている部分もあると思います。感覚的な話になるので入った時の感覚を言葉にするのが難しいですが、私の感覚としては、「ヌッとした感覚と共に、カテーテルがスッと入っていく感じです。」
長年、吸引を行っていると、学生の頃に学んだことと全く違った手技を目にする機会があります。何が正しくて何が間違っているのか、その答えを決めているのは、行っている本人です。自問自答の毎日です。
ぜひ、吸引に関してのあなたが持っている技術や情報が聞きたいです。コメントをよろしくお願いします。