たまに、ゆるーい病院の話も入れていきます。
私のこれまでの病院勤務で、お化けに会ったことはまだありません。お化けに会うよりも怖いことがあります。それは、夜間の転倒・転落です。
真夜中の病棟に、急にドスンと音が響くんです。その次の瞬間、ライトを持って原因検索が始まります。ま、大体転倒・転落リスクが高い患者さんの部屋からみていきますね。
患者さんをベッドの横に片手をベッドマットに、お尻ともう片方の手を接地した状態で発見したとしましょう。(以下の「→」の先はなぜその質問するのかの目的内容です)
Ns「どうされましたか?」→状況確認
患者「家に帰ろうと思って。立とうとしたら、立てなかった。」→元々認知症があるので、認知の低下は変わりないが、受け答えができ、発語にも問題はない。結果的に意識レベルの確認。
Ns「どこか痛いところはありませんか。」→一番怖いのが、頭部の受傷、その次に骨折。痛い部位を特定し確認したい。
患者「お尻かな。」
Ns「頭は痛くありませんか。」→やはり、頭部は大事。もう一度確認。
患者「痛くないよ。」
Ns「ベッドに戻ります、お手伝いしますね。」→四肢の可動を確認。
問診終了です、実際に全身を確認します。痛みの有無、皮膚の変色の有無、変形の有無。忘れてはいけないバイタルチェック。
夜間なので当直Drに報告を行い、診察を依頼します。指示があるとしたら大きく2通りです。頭部中心の検査を行うか、経過観察か。
時間帯にもよりますが、師長に連絡する場合もあると思います。細かい部分は、病院毎に昼間、夜間転倒・転落が発生した際の行動が決まっているのでそれに沿って行動しています。
状況の発生から、当直Drの診察終了まで10分程度でしょうか。
この後もまだまだ、終わりません。検査を行った場合も、行わなかった場合も患者の観察を定期的に行います。カルテに記録も逐次していきます。インシデント・アクシデントレポートも作成します。外傷の程度によりますが、骨折のような大きい受傷の場合は間違いなくアクシデントレポートです。その中の評価に、直近の転倒転落アセスメント内容も加えます。いろいろ具体的な名称を出しましたが、転倒・転落が起きたらたくさん記録を書く必要があるってことです。朝、次の勤務者に申し送るために情報を整理しておかなければいけません。朝、師長が来たら直接報告します。
私の場合、文章が書くのが苦手なので、全ての記録をこなすのに1時間以上はかかっています。夜勤中は他の業務もあるので、夜勤終了後に記録を行うことがほとんどです。病院にもよりますが、夜勤時間が終わった後に記録をしても時間外勤務として扱われない事が多いです。そんな病院はとても怖いですね。夜勤明けの寝ぼけた頭で、夜勤明けの疲れ切った身体で、お金にならないという精神的ダメージも負いながらの記録。怖い、怖い。