現役看護師が話す、入院しなくてもみんなが知っておかなきゃいけないDNARの話
いきなり、DNRAと言われても困りますよね。これは、病院では一般的に「延命治療に関する同意書」と言われています。入院したときにどんな人でも必ず書く用紙です。それだけ大切な用紙です。
この用紙の内容を知っているかいないかであなたやあなたの家族の人生は、大きく変わります。
なので、最後まで見ていってください。
結論からお伝えすると、DNARとは、現代医療ではもう助からない状態(癌の末期,老衰,救命の可能性がない場合など)で心肺停止になった時に心肺蘇生を行うか、行わないかの意思表示になります。
はい、大変遅くなりました、さっきからDNAR、DNARって連発していますけれど、この横文字の説明をしないといけませんね。
DNARとはもともと、
DNR(Do Not Resuscitation)=「蘇生をしない。」と短く強い言葉で表現されていましたが、この名称は「成功する可能性が高い状況」でも蘇生をしないとの誤解を招き、命を救うための努力が放棄されているんじゃないかとみられてしまいます。
そこで、正しくは「成功する可能性が乏しい状況」で蘇生を試す事(Attempt)を拒む行為だと分かるように改称されて、DNAR(Do Not Attempt Resuscitation)=「蘇生する可能性が乏しい時(癌の末期,老衰,救命の可能性がない場合)は、蘇生をしません。」となりました。
はい、ここで出てきた、蘇生の内容が大事になってきます。
蘇生とは心肺蘇生法のことです。もっと細かく言うと、心臓マッサージや、人工呼吸、AED、除細動、薬剤投与、気管挿管等のことです。
みなさん、ここまで聞いていてどうでしょう、怖くなってきませんか。DNARの同意が無ければ、老衰で息を引き取る間際でも心臓マッサージをする場合があるってことです。自分の最後の瞬間を、大切な家族の最後の瞬間を、心臓マッサージや人工呼吸を受けながら迎えたいですか。私は、嫌です。実際にイメージしづらい人は、YouTubeで「心臓マッサージ」と検索して、見てください。骨粗鬆症や高齢の方の心臓マッサージは、ほぼ確実に肋骨が折れます。
DNARどうだったでしょうか。最後にまとめです。
DNARとは、癌の末期,老衰,救命の可能性がない場合などで心肺停止になった時に蘇生を行うか、行わないかの意思表示になります。
私の意志は、今お伝えしたように考えています。このブログが、あなたやあなたの家族のいき方の一助になればと思っています。