第2回                              こんなに違う!DNARの有無で変わる人生最後の瞬間‼ No2

前のブログで、DNARの話をしました。今回は、病院スタッフだけが知っている、DNARがある時と、ない時の実際を紹介できればと思います。

結論からお伝えすると、DNARの同意がある時は、患者さんも、そのご家族も穏やかに過ごすことができます。ない時は、患者さんもご家族も、スタッフもバタバタします。

では、実際です。

今回は先ずは、同意があるバージョン。

ここで、皆さんにイメージしやすいように架空の患者さんに登場してもらいます。

紹介します。でる子さん100歳女性です。主な病歴としては、認知症、寝たきりの状態です。入院する前は、在宅でご家族と社会資源を活用しながら過ごしていました。ですが、最近肺炎になり入院しました。

入院時のDNARの同意を取る場面からです。一室に家族、Dr、Nsがいます。

Dr「治療はできる範囲で行います。ですが、高齢でもありますし、今回の肺炎がきっかけで入院中に最後を迎えられる可能性もあります。その時、蘇生つまり心臓マッサージや人工呼吸を希望されますか?」

家族(キーパーソン)「もう年ですし、ここまでよく頑張ってきました。蘇生は希望しません、自然なかたちでみおくりたいです。」

Dr「わかりました。こちらの用紙に記入をお願いします。」

(入院時には、多少の違いはありますがこのような用紙の記入をします。)

数日後、肺炎は改善し退院が3日後に決まりました。

Nsがでる子さんの部屋に放室。呼吸をしていない事に気づく。体温と脈を確認。暖かいが脈拍を触知できず、心音も聞こえていない。

直ちにご家族へ連絡します。

Ns「でる子さんの呼吸が止まっています。焦らず慌てずに来院していただきたいです。」

ご家族「わかりました、今から向かいます。」

次にDrへ状況を報告します。

ご家族が来棟するまでの間に、スタッフは患者さんの身の回りを整えます。

ご家族が来棟すると同時に、Drへ再度連絡します。

ご家族見守りのもとでDrより死亡確認が行われます。

いかがだったでしょうか、細かいことを加えると、入院時のDrの話が短くてICになっていないぞ、とか、リビングウィルの事、意思確認書の中に気管挿管、呼吸器が無い等まだありますが

今回は、DNARに焦点を当ててみました。

次回は、DNARの同意が無い場合の実際をお伝えしたいと思います。

このブログが、少しでもあなたや、あなたの家族のいき方の一助になればと思っています。